情報機械研究所

コンピューターの、スゴイところとオモシロイところ。

カードゲームで2進数!「バイナリートランプ」

コンピュータと2進数

わたしたちの身の回りにあるコンピュータたち。様々な情報を動かして、そして情報によって動く情報機械です。

コンピュータの中では、全ての情報が0と1という2種類の記号を使って表現されています。スマホで撮影した写真や動画、SNSへの書き込み、銀行アプリの口座残高、交通ICカードに格納されているデータ、これらすべてが2進数の仕組みを使って表現されているのです。考えてみると、不思議なことではありませんか?!

2進数で遊ぼう!

そんな身近な2進数、その考え方は実はとても簡単です。そして、コンピュータの仕組みや使い方全般をカバーしている学問分野「コンピュータサイエンス」では、2進数がとても便利に使われているのです。

単純ながらも奥が深い2進数。「そんな2進数に遊びながら親しめるように」という思いで独自開発したのが「バイナリートランプ」です。

既に開発が完了して販売を開始している「バイナリートランプ」。この記事ではその「きほん」を紹介しようと思います。

「バイナリートランプ」とは

  • 0と1だけを使った2進数(バイナリーナンバー)でできたトランプです。
  • 「バイナリートランプ」には2進数だけでなく10進数(普通の数)も書いてありますので、初級者にもわかりやすいです。
  • 「バイナリートランプ エキスパート」には10進数は書いてありません。上級者向けです。
  • 2進数は、0と1だけで全てのデータを表せるなど、便利な特長がたくさんあります。そのため、コンピュータでも使われています。
    (でも、2進数自体は、コンピュータが作られるよりも何百年も前に発見されていました。この話はまた別の機会に。)

「バイナリートランプ」を手に入れたら、まずは普通のトランプゲームで遊んでみましょう。「七並べ」や「ババ抜き」などがおすすめです。

慣れてきたら、2進数の特徴を使ったオリジナルゲームで遊んでみましょう。これについては、このWebサイトで順次情報を追加していく予定です。

「バイナリートランプ」は普通のトランプとどう違う?

「バイナリートランプ」と普通のトランプは、同じところと違うところがあります。

「バイナリートランプ」の特徴がわかって遊ぶと、もっと楽しいです。

まずはトランプマーク(正しくはスートマークと言います)を見てみましょう。

バイナリートランプのスペード、クラブ、ハート、ダイヤです。0と1で出来ているの、わかりますでしょうか?!

「バイナリートランプ」も、普通のトランプと同じく、スペード、クラブ、ハート、ダイヤの4つのトランプマークを使います。でも、そのデザインはちょっと不思議な感じです。よく見てください、「0」と「1」で出来ているのがわかりますか?

0と1で全てのデータを表せる2進数。それを使ったトランプですから、トランプマーク自体も0と1で出来ているのです!

次に、トランプカードとしての「バイナリートランプ」の特徴を表にまとめていますので、それを見てみましょう。

普通のトランプとバイナリートランプは、どこが同じでどこが違うのでしょうか。表にまとめてみました。

  • マークの種類
    • 上で述べたとおり、普通のトランプと同じです。
  • マークごとのカード枚数
    • 普通のトランプは13枚ですが、「バイナリートランプ」は16枚です。これは、4ケタの2進数で表せるのが0から15の16個の数だからです。
  • ジョーカー
    • 「バイナリートランプ」では「0」をジョーカーとしていますので、全部で4枚あります。
  • 合計枚数
    • 普通のトランプは54枚(うちジョーカー2枚)です。
    • 「バイナリートランプ」は、トランプマークごとに16枚あり、トランプマークは4つあるので、合計64枚です。
  • 絵札
    • 普通のトランプでは、JとQとKは絵札です。
    • 「バイナリートランプ」には絵札はありませんが、「0」のカード(ジョーカー)には絵が描いてあります。

「バイナリートランプ」のジョーカー

ジョーカーは4枚あります。スペードとハートのジョーカーをお見せしましょう。

バイナリートランプでは、ジョーカーのデザインもオリジナルです。

この不思議な感じのデザイン、いかがでしょうか。「世界の全てを表せる2進数」をイメージしています。

中央の丸い領域が世界、そして天と地には太陽と月が回っています。

中央の丸の上半分をよくみると、トランプマークの部品でできています。

そして中央の丸の下半分にはラテン語の文が。「OMNIBUS EX NIHILO DUCENDIS SUFFICIT UNUM」、これは「0と1さえあれば、全てを生み出すことができる」という意味で、17世紀のヨーロッパが2進数を発見したときに、メダリオンに実際に刻印された文章です。

ちなみに、17世紀のヨーロッパで2進数を発見したのは、微積分の発明者の一人である数学者ライプニッツ。彼は、はるか昔から伝わる中国の「易経」にも2進数が使われていることを発見して大喜びしたりと、いろいろ面白い話があるのですが、それはまたの機会に。。。

ところで、ジョーカーの左上と右下に描かれた記号を知っていますか?0に似ていますが実は違います。「集合論」という数学分野で「からっぽ」を意味する記号です。「からっぽ」でもあり「0(ゼロ)」でもあるのがジョーカーというわけです!

カードの見かた

次に、スペードの1001を例に、「バイナリートランプ」の数字カードの見かたを説明します。(2進数の1001は、10進数の「9」のことです。)

スペードの1001を例に、数字カードの見かたを説明します。2進数の1001は、10進数の「9」です。

  • 「バイナリートランプ」の数字カードには上下があります。(普通のトランプは、上下がないので、さかさまにしても遊べますね。)
  • 数字カードの左上と右下に、そのカードの数字(ランクといいます)が2進数で書かれています。上の例では1001です。
  • 1001は10進数の「9」なので、カードの右上と左下には(9)と書いてあります。
    • これは初心者にもわかりやすいようにするためなので、「バイナリートランプ」だけの特徴です。
    • 「バイナリートランプ エキスパート」には(9)はありません。
  • カード中央部分には、4つの領域があり、そこに合計9個のスペードが描いてあります。
    • それぞれの領域は「1の位」、「2の位」、「4の位」、「8の位」に対応しています。
    • その位が「1」ならば、その領域にスペードが描かれています。この例では1の位と8の位です。
    • これによって、2進数の1001と10進数の「9」が同じものだということを示しています。

カードのデザイン

スペードの16枚のカード全てを見てみましょう。

スペードの16枚のカードを全てお見せします。

 

さらに詳しくはこちらをご覧ください:

(この記事はかながわグローバルIT研究所Webサイトからの転載です。)